11月8日（いい歯の日）に毎年恒例になりました“「8020」いい歯の表彰式”が広島市8020運動・歯周病予防推進協議会の主催で開催されました。土江健也本協議会会長より、「20本の歯があれば、何でもおいしく食べることができ、天寿と健康長寿を一致させることができます。現在は不幸にして天寿と健康長寿の間には6年ほどの差があり、これを歯科医療の力で一致させるべく我々はこれからも努力してまいります。本日表彰を受けられた方々は周囲の皆さんにおおいに自慢してください。そして皆さんは若い人の良いお手本ですので、若い人たちに歯を保つ秘訣は、定期健診に行くことだと教えてあげてください。」という旨の挨拶があり、続いて松井一實広島市長の挨拶の後、表彰状及び記念品の贈呈が行われました。

　本年度の被表彰者は473名（男性205名女性268名）で、最高齢は99歳、平均年齢は81.6歳でした。被表彰者を代表して安佐南区の瀧本清也さんが謝辞を述べました。引き続いて “グランドビューティフル歯ッション賞認定証授与式”が行われました。本賞は常日頃より、歯ブラシだけでなく、補助用具である歯間ブラシやデンタルフロス を使って、口腔内を清潔に保っている市民を認定するもので、歯周病予防に効果のある、歯間ブラシやデンタルフロスの普及啓発を進めるよう始まった事業です。第7回の今年は2,805名の応募があり、そのうち認定者は2,552名、特に優れたグランドビューティフル歯ッション賞に84名が選ばれ、代表して西区の上剃武志さんが謝辞を述べました。この後、木島丘広島市議会議長（代読）、山科透県歯会長（代読）の来賓祝辞の後、岡田信彦本協議会副会長の閉会の辞で、すべての日程を終了しました。

　なお、本表彰式は毎年各種報道機関の取材を受けますが、本年はテレビ局4局も取材に訪れ、市民の歯の健康への関心の高さを物語っていました。

　僭越ではございますが、ご指名を頂きましたので、平成23年度「8020いい歯」受彰者473名を代表いたしまして、謝辞を申し上げます。
　本日は、松井市長様、土江歯科医師会長様をはじめ、関係者各位、ならびにご来賓各位のご臨席のもと、私達の為に、かくも盛大な表彰式を開催して頂き、心から感謝いたします。
また、先ほどは丁重なご祝辞を賜り、光栄且つ恐縮に存じ上げている次第でございます。ありがとうございました。
　さて、私ごとを申し上げて恐縮ですが、私は満81歳で、歯は上下計25本残っております。その原因の一つは、私の父一人の写真屋の収入では、家族のべ12人が生きて行くのが大変で、戦中、戦後しばらく、わが家の家計ではお菓子どころではなかったからであります。
　そのお菓子のかわりに、口が淋しくなりますと、小鰯の煮干しと申しますか、いりこと申しますか、それを齧って紛らわしていたからだと思います。
　私が産まれました昭和5年、すでに戦争のはしりとして軍部が台頭し、6年満州事変、12年支那事変、16年大東亜戦争、20年終戦、と云った具合に、本日表彰される方は皆、戦争の申し子でございます。
　日本の国力のピークは昭和15年だったと云われておりますが、それ以降物資が不足し始め、終戦直後もしばらくは、更なる物資不足に見舞われ、配給される主食の米麦は余りにも少なく、お菓子どころ騒ぎではありませんでした。
　私は昭和28年に初めて社会人になり、ある会社の広島支店に配属されましたが、半年も経たない内に肺結核になり、やむなく郷里にかえりました。同じ病気で自宅療養中の兄が、開口一番「砂糖気のあるものを食べるなよ、体が弱るからな」というのです。爾来お菓子は特別な理由の無いかぎり、口にしなくなりました。
　過去を振り返ってみますと、逐一事例をあげるには時間がございませんが、私は本当に「いい歯医者さん」に恵まれて、受賞することになったと、歯医者さんに感謝しております。
　最後に、この場をお借りして、広島市歯科医師会所属の先生方に申し上げます。
今後とも、「いい歯」を保つ為の治療、及び自己管理の方法のご指導をお願い致しまして、私の謝辞を終わらせて頂きます。

表彰者代表　滝本清也

　この度「歯ッション賞」を授与されることになり、受賞者を代表して一言お礼申し上げます。
本日は、市長様、歯科医師会会長様をはじめ、関係各位のご臨席を頂き、このような立派な賞を頂きましたことは、誠に名誉なことであり、心より厚くお礼申し上げます。
先般、ご推薦を頂きました西区三篠町の「アーク歯科クリニック」様、ならびに広島市役所の担当者の方から受賞の報を頂き、正直驚いている次第です。
　私は昭和19年に県北の地域で生まれましたが、当時はご承知の通り、食糧難の時代であり、歯の衛生状態も決して良いとは言えませんでした。そうした中でも、なるべくカルシウムを摂取するため、いりこや秋刀魚の骨でも、焼いて食べていた記憶があります。就職した頃からは、歯のケアの重要性に目覚め、食後の歯磨きはもとより、定期検診等で細かくご指導を受け実践しております。歯のケアは歯周病のほか、成人病の予防にも関係すると言われており、今後もケアに努めますと共に、あらゆる機会を通じ、私なりに啓発に努めていきたいと考えておりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
　本日はどうもありがとうございました。

被認定者代表　上剃武志