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歯のない原人化石
グルジア180万年前 他者がいたわり?
 黒海沿岸のグルジアで発掘された約180万年前の原人化石の調査で、歯がすべて抜け落ちた状態でも生き延びた原人がいたことが分かった。米北テキサス大のリード・フェリング博士らが、7日付の英科学誌ネイチャーに発表した。
 当時は肉食が中心だったと考えられるが、フェリング博士らは「この歯で肉をかむのは無理。誰かが食事を軟らかく下ごしらえしてやる必要があったはず」と指摘。ヒトがいつごろから他者をいたわる行動を始めたかを知る上で、貴重な発見となる可能性もある。
 化石が見つかったのはドマニシ遺跡で、アフリカ以外では最古の原人化石とされる。歯のない化石は、いくつか見つかった頭骨のうちの一つ。高齢か病気が原因で歯が抜けたらしい。歯の根がはまる上下の歯の摩耗などから、死の数年前には既に歯がなかったとみられるという。
 他者に対するいたわりを示す例としては、10〜20万年前のネアンデルタール人が病気の子どもの看病をしたとみられるケースがある。
 近藤修東京大学助教授(形質人類学)は「今回の推定が正しければ、これを150万年以上さかのぼることになり興味深い。あるいは、当時の食事が肉を中心とした硬い物ばかりだったという定説を覆し、軟らかい食事も一般的だったことを示す可能性もある」と話している。


2005年4月7日の中国新聞より