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気になる症状
『おならが頻繁に出る』

回答者 山本昌弘さん
広島赤十字・原爆病院 第1内科部長(消化器科)

 昔から「おなら」が頻繁に出て困るのですが、13歳の娘も同じ体質で悩んでいます。学校や塾の授業中にガスがたまり、おなかが張って痛くなるそうです。我慢しきれず人前で出てしまい、過敏になって食事量が減った時期もありました。思春期の子を持つ親として、心を痛めています。何とかおならを抑える方法はありませんか。
(江田島市・男性54歳)

ゆっくり食事 肉類少なく
■おならの正体は何ですか
 約7割は、食事や唾液をのみ込む際に口から入り、小腸や大腸まで行ってしまった空気です。早食いの癖がある人や緊張しやすい人は、多く空気をのむ傾向にあるので、おならも出やすくなります。残りの3割は、腸内で食べ物のカスを分解する際に発生するガス。炭水化物や食物繊維の消化で発生する発酵型と、小腸で十分消化されなかった肉などのタンパク質が腐敗して発生する腐敗型に分けられます。においのもとは腐敗型のガスで、全体の1%程度しか含まれません。成分は、窒素、水素、二酸化炭素など約400種類あり、一日の量も500〜2,000ミリリットルと個人差があります。

■授業中などにガスがたまり、おなかが痛くなるそうです
 腸は「心の鏡」と言われるほどストレスに敏感。緊張や過労、悩みがあると胃腸の機能が低下し、おならや下痢、便秘を引き起こします。相談者と娘さんは緊張しやすいタイプなのでしょう。でも、おならを我慢するのはよくありません。行き場のないガスは腸から体内に吸収され、体臭のもととなって息や皮膚から排出されます。肝臓や腎臓などで処理されて外に出ることもありますが、毒素を含んだガスは腸管を傷つけ、肝臓機能や免疫力の低下にもつながります。そこで、ガスの量やにおいを抑える取り組みが必要です。

■どうすればいいのですか
 ゆったりした気持ちで生活しましょう。ガスの量を減らすには、食事をゆっくり、よくかんで食べるのが一番です。飲み込む空気の量が減って食べ物も消化しやすくなるので、腐敗型ガスの発生が抑えられます。
歯並びが悪いと、食べ物と一緒に歯のすき間から入る空気をのみ込みやすいので、矯正治療を勧める場合もあります。におい対策では、肉類の食べ過ぎに注意。硫黄分を多く含むニンニクやタマネギも悪臭のもとです。一方、消化を助け腸内をきれいにする善玉菌(乳酸菌やビフィズス菌など)を増やすため、ヨーグルトや乳酸菌飲料、海草類、キノコなどの摂取を心がけましょう。
 ただし、臭いおならが急に増えた場合は、大腸がんなど、腸内で食べ物の通過障害が起きている可能性もあります。専門医で検査してもらってください。

におい対策
■積極的に食べよう
 ヨーグルト
 乳酸菌飲料
 海草類など
■食べ過ぎに注意
 タンパク質(肉など)
 ニンニク
 タマネギ


2005年4月13日の中国新聞より