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日本に一つの貴重品
120年前の補綴物模型


 120年前にドイツで作られた患者説明用補綴物のデモンストレーション模型が見つかった。名古屋市の国際メディカルアーティストスクール学校長の河合康男氏が昨年春に欧州旅行中にロンドンで発見した。歯科技工士の河合氏によれば「これ自体日本に一つしかない貴重な物だが、歯科技工物として証明される現物でも想像もつかないほど技術的に高度で高い価値を持つ」と言う。
 これについて書かれた書物としては、東京歯科医学専門学校(現東歯大)教授だった故矢崎正方氏による「最近継続及び加工術」がある。大正9年8月に歯科学報社から出版されたもので、河合氏は「矢崎氏は学校を卒業後の大正4年にアメリカのロヨテ大学に入学し、大正7年に帰国している。したがってこの原書がドイツで出版されたのは大正初期であることが分かっており、この義歯模型は110年以上前のものということが証明されている」と語る。



写真右・臼歯部はゴム床で陶歯またはチューブ陶歯を使用。床の一部は鍛造床として作られ、クラスプ線は複雑に曲げられ、ゴム床は光沢をだしている。写真中央・高溶陶材で焼成されたオールセラミック(ドイツ・アッシュ社製)。咬合器は純銀製で、変色もなく、各補綴物は組み替え、取り替えが可能。写真左・テレスコープ及びコンビネーションアタッチメントの補綴物模型


2005年6月28日の日本歯科新聞より