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口臭のもと、口が渇くドライマウス
冷たい飲料・パン食誘因


広島市歯科医師会学術部が調査
 口が渇き、口臭のもとになる「ドライマウス」の人は、太り気味でパン食が多く、冷たい飲料をよく飲んでいる―。口臭を防ぐ生活習慣の手掛かりを広島市歯科医師会学術部が調査で突き止め、13日に同市内での広島県歯学会で発表する。

朝は唾液が出やすい和食を
 学術部長の開業医小田正秀さん(50)=広島市南区=たちは今年5月ー6月、市内の高校2校の協力で生徒計523人を調査した。10分間、口を動かさない状態で口内にたまった唾液を量り、2ミリリットル未満のドライマウス群と、それ以上の正常群に分類。体格や朝食の内容、クラブ活動、睡眠時間など生活習慣を併せて聞き、クロス集計した。
 ある高校では、男子生徒302人のうち31人(10.3%)がドライマウス群だった。ドライマウス群は正常群の生徒と比べると、朝食に「米飯」をとる生徒(35.5%)は11.5ポイント少なく、逆に「パン食」(41.9%)は8.1ポイント多い◆平均身長は変わらないのに体重が約6キロ多い◆治療していない虫歯が約1本多い◆冷たい飲料をよく飲む◆運動部より文化部の生徒が多い―などの傾向が分かった。もう1校も、ほぼ同じ傾向だった。
 「ドライマウスの生徒に虫歯が多いのは、抗菌・殺菌作用を持つ唾液が少ない状態で、甘味料を含む清涼飲料などを多く飲むから」と小田さん。「パン食を好むのは、しっかりかみ、唾液と混ぜないと飲み込みにくいお米より、パンは飲み物で流し込めるからではないか」と推し量る。
 口臭を気に病み、治療に来る患者の約9割はドライマウスだという。「口臭は口の中が不潔だから起こるだけではない。歯周病の治療や歯磨きなどの口腔ケアに加え、生活習慣を改め、唾液を出しやすくする必要がある」
 改善ポイントとして、適度の運動◆朝食は、しっかりかみ、唾液の出やすい和食に◆腸内菌の活動を弱めてしまう冷たい飲料を控える―などを挙げる。
 小田さんの診療所では昨年4月から、口臭治療の一環に生活習慣の改善を導入し、効果を上げている。雲南市の会社員女性(25)は「ほぼ半年で口臭が治まった」と言う。パンやシリアルの朝食からご飯とみそ汁に替え、エアロビクスに週2回通い、安静時の唾液量が1ミリリットルから3.5ミリリットルに増えた。「長年の悩みから解放され、気持ちも前向きになった」と喜ぶ。
 小田さんは「口臭を治すポイントは唾液の量。気になる人は、かかりつけの歯科医師と相談し、生活習慣を見直してみてほしい」とアドバイスしている。

ドライマウス
唾液が出にくくなり、口の中が渇く現象。抗血圧薬や利尿薬などの副作用、生活習慣、加齢、ストレスなどが原因とされる。口臭が強くなり、唾液不足による抗菌作用の低下で風邪や肺炎原因になる場合もある。

口臭のもとにある
ドライマウス防止のポイント
●適度な運動をする
●虫歯をすべて治す
●食事はしっかりかんで唾液を出す
●冷たい水を飲み過ぎない




2005年11月2日の中国新聞より