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歯並び矯正 どうする?

 子どもの歯並びを気にする親が増えているそうです。同級生が矯正を始めたら、「うちはどうしよう」と気がせくことも。でも、ちゃんと手入れができるのか、学校でからかわれないだろうかなどと考えると迷います。治療をするなら、どんなことに気を付ければいいのでしょう。

7歳までに検査 親からも説明を
 出版社に勤める若林あかねさん(41)の小5の娘(11)は、歯の生えかわり時期。歯と歯が重なって気になったが、「本人がやりたいと言い出してからでいいだろう」と思っていた。
 だが、歯科矯正に関する本の編集を担当し、「あごの形を整えることも重要では」と感じるようになった。2ヶ月前、「どうする?」と娘に聞いたら、思いがけず、「やってみたい」とすぐに返事が返ってきた。
 専門医を訪ねると、下あごの発育が遅れていると言われた。まず取り外しできる器具を寝ている間だけ付け、奥歯のかみこみを浅くし、あごの自然な成長を促すことに。様子を見てブラケットなどを使うか決める。
 「こんなふうにきれいになるよ」と治療後の写真の例を見せてもらったのが励みとなって、「ママ、ちょっと後ろの歯が伸びてきたみたい」と鏡を見てはうれしそうに報告する毎日だ。
 矯正歯科医の近藤悦子さんは「あごの発育に問題がある場合は、できるだけ早く始めて」という。大切なのは、あごの左右対称な発育を促すことと鼻呼吸ができること。「骨格ができあがる12歳くらいまでがいい」
 日本小児歯科学会の常任理事の高木裕三・東京医科歯科大教授も、受け口や上下の奥歯が横にずれた交叉咬合などの場合は乳歯時に治すことを勧める。
 だが、装置が痛く、不快なことも。歯磨きも念入りにしなければならない。「親からうるさく言われ、親子関係がぎくしゃくするケースも。中学生くらいになれば本人もきれいになりたいと、動機付けがしっかりする場合もあります」と高木さん。
 日本矯正歯科学会の相馬邦道会長は「歯がでこぼこしているだけならあわてなくてもいい」とい。同学会では7歳くらいまでを目安に歯並びのチェックを勧める。その上で「問題があるようなら専門医に相談を」。
 同学会ではホームページで認定医を公表している。「セカンド、サードのオピニオンをとれば、トラブルを防げます」
 「いじめにあうのでは」と心配する親も少なくないが、「実際に治療に来る子は『ぴかぴかしてきれい』と無色より赤や黄色の装置を選びます。必要な治療は、親も自信を持って説明してください」と相馬さん。
 事前に学校側に伝えておくのも一案だ。若林さんの場合、連絡帳に「矯正を始めることになりました」と書いたところ、担任がクラスにさりげなく「からかったりしないでね」と話してくれたという。


硬い食物に注意
 東京医科歯科大付属病院の矯正歯科外来では、矯正装置を歯の表面に接着する治療を始める患者に注意事項をまとめた冊子を渡している。▽もちやグミなどの粘着性のある食品、するめやせんべいなど硬い食物に注意▽かまなくても舌と上あごでつぶせるまで煮る、細かく刻むなど工夫する▽外出先ではゼリーやヨーグルト、調理済みレトルト食品、野菜ジュースなどを利用する、など。
 また、2列で毛の部分が小さめで毛先が丸い歯ブラシを選び、毎食後10〜15分みがくこと。歯ブラシをペンのように持ち、斜め45度、真上、斜め下45度の3方向から2、3本ずつ細かくブラッシングするとよいという。
 日本矯正歯科学会の「子どものページ」(http://www.jos.gr.jp/society/child/)でも注意点や歯磨きの仕方などを紹介している。


2006年2月3日の朝日新聞より