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よくかんで脳の老化防止

「歯根膜」から情報伝達
 食べ物などをよくかむためには、良いかみ合わせが必要になる。「良いかみ合わせでよくかむと、脳細胞が活性化されるのです」と東京歯科大学(千葉県)スポーツ歯科の石上惠一教授は指摘する。
 口の中に物を入れてかみ始めると、歯の根の周りを取り巻く歯根膜という部分が、かむ力やその量の多少や硬軟などの情報をキャッチし、歯根膜に通じる上顎(じょうがく)の神経と下顎の神経が目の神経と一つになり、三叉脳神経を通じて脳に伝える。
 脳は、その情報に基づいて、適したかみ方の指示を出す。例えば、硬い物なら回数を多くかむとか、かめなければのみ込んだり、軟らかい物を要求したりする。

かみ合わせも要点検
 上下の歯のかみ合わせがうまくいっていないと、当然、脳の活動も緩慢になるといった悪循環に陥る。
 歯やあごも長年使っていると、すり減ったり、ゆがんだりする。かみ合わせがうまくいっているか、自分でチェックする方法がある。
 まず、口をゆっくり大きく開けて、ゆっくり閉じる。上下の歯がきっちりとかみ合わされば正常。しかし、閉じるときS字を描くように曲がる感じがしたり、奥歯がうまくかみ合わなかったりする場合は、要注意。一度、歯科で診てもらうとよい。
 「唾液には細胞のがん化を抑制する作用のほか、神経を集中させる働きがあります。よくかむと、唾液が十分分泌され、交感神経も活発に働き、運動性も高まるのです」
 高齢者は、歩行中にわずかな高低差につまずき、転倒することがある。かみ合わせがうまくいっていると平衡機能も保たれるため、つまずきにくくなるという。
 石上教授は「食事のときはよくかむように心掛けて、歯磨きも一日三回だけでなく、できるだけ行って、歯茎に刺激を与えることも大切。ガムをかむのも老化防止になります」と話している。


2005年12月14日の中国新聞夕刊より