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硬い食物かむと脳活性化

日本歯科大教授ら検証
正しい姿勢も大切
 ファーストフードやお菓子などの軟らかいものを、よくかまずに飲み物で流し込む。珍しくなくなった食事風景だが、硬い食べ物をかむ方が脳が活性化されるという研究結果を小林義典日本歯科大教授らがまとめた。
 最近では敬遠されがちな硬い根菜なども嫌がらずに食べるのがいいようだ。きちんと座った姿勢とそうでない場合も違いがあるという。
 小林教授は「姿勢を正し、食の文化に基づく家庭食、すなわち歯応えのあるものをそしゃくすることが重要だ」と指摘する。
 小林教授らは、食べ物の硬さと脳の活動の関係を調べようとケーキ、軟らかいご飯、硬いご飯、イカの刺し身など四段階の硬さに相当するゼリーを健康な10人の大人に食べてもらい、かんでいる最中に、脳の血流量を調べた。血流は脳の活動の活発さを反映する。測定には、頭の外から光を当てて反射光から血流量の変化を調べる装置を使った。
 すると、何もかまない状態に比べ、いずれの硬さの食べ物でも血流量は増加し、硬いほど多くなった。
 また、座った状態のほかベッドで上半身を起こしたときのように30度、60度背を傾けた状態、水平に寝た状態で食べた場合を比べると、かむために動かす顔の咬筋[こうきん]の活動量はほぼ同じなのに、脳血流量は座った状態で最も多く、横になるほど減少した。
 一方、ゼリーに苦みを加えると血流量は減少。脳波を測定すると、リラックスした状態で現れるアルファ波が減っており、食べ物のおいしさの感じ方も影響していることが示された。

2007年10月4日の中国新聞より