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1本なんと1000円以上
高級歯磨き剤が人気
中高年層、歯周病を予防

 1本1000円以上もする高級な歯磨き剤が人気だ。口内の健康が気になる中高年層が歯周病予防の効果を期待していることが背景にある。高齢化が進む中、各メーカーとも販売に力を入れている。

高い健康意識
 「歯の健康に自信がない」。日用品大手のライオンが昨年10〜11月に実施した調査(有効回答202人)では、「団塊の世代」にほぼ相当する56〜60歳の6割以上が、歯の健康に何らかの不安を抱えていることが分かった。中でも「食べ物がよく歯に挟まるようになった」と感じる人が多く、男性で77%、女性で47%に上った。
 同社によると、こうした状態は既に歯周病になっている場合が多く、放置すれば歯が抜けたり、歯茎が腫れて痛くなったりする歯槽膿漏[のうろう]に進行することもある。最近では、歯周病が糖尿病や心疾患などと関連しているとも指摘されている。
 このため特に中高年層では歯の健康に対する意識が高まっており、調査では、ここ数年で「歯磨きの回数が増えた」と回答した人は半数近くに達した。
 最近の歯磨き剤は、病気予防の効果が期待できる成分が使われた「薬用歯磨き」がほとんどで、成分の種類などによって値段が違う。
 花王の調査では、年齢が高くなるほど購入する歯磨き剤の単価は高く、商品選びで病気の予防効果を重視している傾向がうかがえるという。

乳酸菌を配合
 ライオンが昨年11月に発売した「デントヘルス薬用ハミガキSP」(90グラム)は、殺菌成分や抗炎症成分を配合し、歯槽膿漏や歯肉炎を予防できるとうたっている。希望小売価格は1本1480円と、200〜300円が中心の一般的な歯磨き剤と比べると高いが、発売2カ月で約30万本を出荷した。
 花王の「薬用ピュオーラ ハミガキ」(100グラム)は、殺菌成分などのほかに、口内にさっぱりとした感覚が広がる成分を配合。店頭での実勢価格は400円前後とやや高めだが、ヒット商品の目安となる市場占有率(シェア)4%を超えているという。
 わかもと製薬の「アバンビーズ」(100グラム)は希望小売価格が1260円で、歯垢[しこう]除去成分に生きた乳酸菌を取り入れたのが特徴だ。 


2007年1月30日の中国新聞より