Q1親知らずって抜かなきゃいけないんですか?
親知らずは前から数えて8番目に生える歯で、歯ブラシが届きにくくむし歯になりやすい歯です。また、横や斜めに生えることが多く、そのため食べかすや細菌などが溜まりやすく周りの歯ぐきが腫れたりします。そのため、親知らずの前にあるいい歯までむし歯にしてしまったり、たびたび腫れたりする悪い親知らずは抜いた方がいいかもしれません。また、抜く必要のない親知らずもありますから、悩む前にかかりつけの歯科医院で診てもらいましょう。
Q2歯を抜いた後に気をつける事って…。
●唾液に少量の血が混じっている程度では心配ありませんが、出血が止まらない場合は、ガーゼや脱脂綿を30分程度きつめに噛んでおいてください。それでも止血しない場合は、主治医に連絡しましょう。
●強く口をゆすいだりすると傷口から再び出血することがありますので、軽くゆすぐ程度にしましょう。
●当日は激しい運動や長風呂、お酒・タバコ、刺激物などは控え、なるべく安静に保つようにしましょう。
●麻酔のため1〜2時間ほど唇や舌がしびれています。間違って舌や頬を噛まないように、食事は麻酔が切れてからにしましょう。また、食後は早めに口を清潔に保つよう、そしてなるべく傷口に触れないようにしてください。
Q3歯が抜けたままにしておいても大丈夫ですか?
正常な位置に生えていた歯が抜けたり、抜いたりしたあとでも、別に日常生活に支障がないからとそのまま放置しておくと、残された歯に加わる負担が大きくなって、それらの歯の寿命が短くなります。
そしてそれだけでなく、抜けた部分の隣の歯が倒れてきたり、かみ合わせの相手を失った歯が伸びてきたりして、歯並びがくずれ、かみ合わせが狂ってしまいます。
かみ合わせが狂うと、左右のアゴの関節がバランスを失い、“顎関節症”という病気を起こすこともあります。この病気になると、お口を開け閉めするたびにカクカクと音がしたり、口が開かなくなったり、頭痛や耳鳴りを起こしたりします。ですから、歯を失ったところは必ず治療を行って左右のどちらでもバランスよく噛めるようにすることが大切です。
一度失った歯はもう生えてきません。残念ながら歯がなくなった場合は、早めにかかりつけの歯科医院を受診して最良の治療方法について相談しましょう。
Q4グラグラしてる歯って、抜かなくちゃいけないの?
歯を失うことは、その人にとってはとてもつらいことだと思います。むし歯でない歯がグラグラになってきているのは、歯周病が進んでいる証拠です。そのために歯を支えている骨(歯槽骨)が溶けてなくなり、歯を支えきれなくなったのです。
グラグラの程度が小さな場合は、他のしっかりした歯につないでくっつける(固定)ことで延命を図ることもできますが、歯が歯肉の中でプカプカ浮いているような状態では、残念ながら抜歯の対象になります。
歯周病は痛みなしに進行していくことが多いので、かかりつけの歯科医院で定期的な健診を受け、グラグラにならないように心掛けましょう。
Q5歯を抜いた後に、血が止まらないんですけど…。
歯を抜いた後に出血が止まらない時は、頻回のうがいはかえって出血を促しますので避けてください。
歯を抜いた部分でロール状の清潔なガーゼを30分ほどしっかり、強めに噛んでおいてください。全身的な問題が無ければこれで大抵は止血しますが、それでも止まらない時は主治医を受診して、適切な止血処置をしてもらいましょう。
抜歯後の出血には局所的原因によるものと、全身的な原因によるものとがあります。
局所的原因によるものでは、不良肉芽の除去、粘膜弁の縫合、ガーゼタンポンによる圧迫止血、局所止血剤の填塞、電気凝固などの局所の処置を行ないます。
血液疾患・肝疾患などの方や、抗凝固剤や抗血小板剤を投与されている方など全身的な原因によるものでは、局所の止血とともに抗凝固剤などの使用の中止や全身的な止血剤の投与が必要になることもあります。