Q1どうせなら、一生モノの入れ歯を作りたいんだけど…。
まず、一生モノの入れ歯なんてあり得ないと思ってください。歯を失ったあごの骨はやせていきます。このため、入れ歯と歯ぐきの間に隙間が生じてしまいます。この隙間をなくす処置が必要ですから、一度作った入れ歯がずっとこの先ピッタリ合うことはないわけです。だから歯医者さんで、定期検診をお忘れなく。
Q2義歯(入れ歯)をするときに注意することはなんですか?
@初めての入れ歯は、多くの方が違和感を感じます。お口に合うまで何度も調整する必要があります。慣れる前に自分の判断で使用を止めないで下さい。
A入れ歯が馴染むまでは、話づらいと思います。舌や頬をかむこともあります。また、食べ物の味が分かりづらかったり、温感も感じにくくなります。
B入れ歯では、今までどおり自分の歯のようにはかめません。かめるものを選んで、今までよりも少し小さめで軟らかめに調理してください。
C入れ歯が歯ぐきに当たって痛いときは、我慢して使用しないで直ちにはずして、傷になる前にかかりつけの歯科医院で調整してもらいましょう。
D食後には必ずはずして自分の歯をみがき、入れ歯もみがいてください。特に歯をみがくときは、留め金のかかっている歯がむし歯になりやすいのでしっかりみがきましょう。
E就寝前に入れ歯をはずしてみがいた後、水か専用の洗浄剤につけておきましょう。乾燥させると変形することもあります。
F決して自分で入れ歯を削ったり、留め金をいじらないようにしてください。一旦変形したものは元には戻せません。
G留め金は使っているうちに徐々にゆるんでくることがあります。定期的に調整してもらいましょう。
いずれにしても調子の悪いときは、早めにかかりつけの歯科医院で診てもらいましょう。
Q3入れ歯安定剤は、使用してもいいですか?
入れ歯がガクガクする、はずれやすい、痛いところがでてきた…など、これらはあなたのお口に入れ歯が合わなくなってきた証拠です。
入れ歯安定剤は一時しのぎの、あくまでも応急処置です。合わない入れ歯を長期間安定剤で使用すれば、歯ぐきにダメージを与えるだけでなく、アゴの骨までも吸収させてしまいます。
適合が悪い場合は、新しく作り直さなければなりませんが、作り直さなくても適合を改善する方法はいくらでもあります。
安定剤で辛抱しないで、かかりつけの歯科医院で相談してみてください。
Q4義歯(入れ歯)は絶対イヤです。他に何か治療法はないの?
義歯(入れ歯)が当たって痛い、痛くてかめない、グラグラ動いてはずれる、違和感があり入れてられないなど、入れ歯に関するトラブルに悩み、なかなか慣れない人も多いようです。
このとき無理に我慢したり、ましてや自分で入れ歯を削ったりせずにかかりつけの歯科医院で調整をしてもらいましょう。
どうしても入れ歯に馴染めない場合には、人工歯根(インプラント)などの方法もありますからかかりつけの歯科医に相談してみてください。
Q5義歯(入れ歯)の手入れの方法を教えて。
義歯(入れ歯)にも歯垢(プラーク)は付着しますし、そのまま放置しておくと歯石になってしまいます。これらは入れ歯の変色や着色を招くばかりでなく、残っているご自身の健康な歯や歯ぐきに悪影響を及ぼします。口臭の原因になることはもとより、入れ歯や入れ歯を支える金属の留め金(クラスプ)と接する歯がむし歯になったり、入れ歯の下の歯ぐきに炎症が起きる原因にもなります。
入れ歯と残っているご自身の歯のお手入れは、お口の中の健康を保つためにとても大切なことですから、食事の後は必ず入れ歯と残っている歯、歯ぐきのお手入れをしましょう。
@入れ歯をお口の中に入れたまま歯みがきをしても汚れは充分には落ちません。食後は必ず取り外して磨きましょう。
A取り外したら、流水の下で入れ歯専用歯ブラシを使い全体の汚れを洗い流すとともに、細かい部分にも注意して汚れを落としましょう。このとき部分入れ歯の留め金の部分は無理な力を加えると、変形してしまいお口の中に入らなくなることがありますから、慎重に磨きましょう。
B入れ歯特有の臭いや着色が気になる場合は、定期的に洗浄剤を使用しましょう。
Cお口の中も入れ歯をはずした状態で歯みがきを行ないます。部分入れ歯の場合は、特に抜けた歯の前後の歯の側面や留め金がかかっている歯を丁寧に磨きましょう。
Q6義歯(入れ歯)洗浄剤はどんなものがいいですか?
義歯(入れ歯)を不衛生にしていると、口臭や歯周病、残っている歯のむし歯、義歯性の口内炎の原因になります。また、口腔内細菌による肺炎に感染する恐れもあります。
いろいろな洗浄剤が市販されていますが、一番いいものというよりも、お口の中で使用する義歯(入れ歯)を洗うものですから安全性の高いものを選ぶべきでしょう。
特に部分入れ歯の場合は、留め金とプラスチックの隙間などに洗浄剤が残っていたりすると、お口がただれてしまうこともあります。危険性のない洗浄剤を使用し、入れ歯専用歯ブラシで機械的に磨くことが大切です。
また部分入れ歯には、留め金の金属に影響の少ない部分入れ歯専用の洗浄剤を使うことをお奨めします。