Q1乳歯がむし歯でも、永久歯さえ大切にすれば大丈夫?
むし歯の乳歯を放っておいて、その下から生えてくる永久歯が健全なんてことはあり得ません!乳歯と永久歯は、実はとっても深い関わり合いがあります。歯みがきをしていて、水がしみたり、歯の表面に黒っぽいものが見えたりしたら、むし歯のサインです。それが乳歯だろうが永久歯だろうが、歯医者さんへ行ってください。
Q2こどもが泣くたびにお乳をやってるけど、いいのかしら?
赤ちゃんはお母さんのお乳が大好きです。でも、それを「食事」と考えた場合、あまりひんぱんに与えるのは、つまり大人にとっての「不規則な食生活」と一緒で、良くないでしょう。その習慣が抜けない子になってしまう可能性もあります。赤ちゃんのお口の健康には、お母さんがくれぐれも気をつけてあげてください。
Q3指しゃぶりがなかなかやめられないのですが…。
指しゃぶりは子供の欲求不満の解消のためだと言われていますが、歯並びなどに影響を及ぼす場合があり、また、アゴの変形を引き起こすこともあります。
1、2歳児の場合は通常、生理的なものとして扱われ、3歳児の場合でもあまりひどくない場合は様子をみます。しかし、3歳を過ぎても指しゃぶりをやめられないような時は、その原因をよく考え、指しゃぶりのよくない理由をやさしく説明し、徐々にやめさせるようにしてください。
就学児前後の子供で指しゃぶりを続ける場合は、お口の中に装置を入れる方法もありますが、無理にやめさせることにより、ストレスから心理的な影響が現れ、他の大きな問題を引き起こす場合もありますので注意が必要です。
Q4八重歯はチャームポイントなのに、なんで治さなきゃいけないの?
八重歯ということは、つまり歯並びが悪いということです。つまり、むし歯になりやすいということです。他にも、発音が正しくできなかったり、咀嚼障害を引き起こしたりと、不都合なことがあります。日本では確かに八重歯はチャーミングとされていますが、長い目で見ると治したほうがいいかもしれません。
Q5むし歯を放っておいたら痛くなくなった。もう治療しなくてもOK?
激しい痛みを通り越すと、無痛が訪れます。でもこれは治ったからではありません。歯髄(いわゆる神経と呼ばれるもの)が死んでしまったためなんです。これを放っておくと、炎症はさらに根の周辺へと広がり、感染が全身に及ぶ可能性もあります。まだ完全に手遅れではないので、かかりつけの歯科医へ行ってください。
Q6歯みがきさえ毎日しっかりすれば、むし歯は予防できる?
むやみやたらとブラッシングすることが歯にとってベストとはいえません。つまり、正しいブラッシング法こそ、むし歯や歯周病予防につながります。ゴシゴシ乱暴にみがくのは、かえって歯を削って逆効果の可能性もあります。歯みがき粉をたっぷりつけるのも、歯を痛めるおそれがあるので注意してください。
Q7むし歯って感染するの?
生後しばらくは赤ちゃんの口の中には、むし歯菌はありません。歯が生えてきて、お母さんやお父さんからお子さまへ、軟らかくかみ砕いた食べ物を口移しで与える(フードキス)ことや、同じスプーン、はしを使って食事を与えることがあります。この時に食べ物と一緒にむし歯菌などの病原菌も移してしまい、お子さまがむし歯になったり、お口の中がむし歯になりやすい状態になったりします。従って、歯が生えてきてから間もない時期のお子さまをお持ちの保護者は、まずご自身のむし歯や歯周病の治療を済ませ、食前に歯みがきやうがい薬でお口の消毒を済ませてから、お食事を始めて下さい。
Q8歯をみがくと出血する。コワくてもうみがけないよ〜!
歯周病になると歯肉に炎症が起きて、出血しやすい状態になります。このとき出る血は、いわゆる「悪い血」です。炎症を起こすのは歯につく歯垢(プラーク)ですから、これを取り除いて炎症がおさまれば、自然に血は出なくなります。ですから怖くてブラッシングをやめるのは間違いです。最初は軟らかい歯ブラシを使って、だんだん硬めのものに変えていきましょう。
Q9歯周病って何歳ぐらいから気をつければいいの?
一般に中高年の病気だと思われていますが、歯周病は徐々に悪くなっていく慢性疾患ですから、20代からの予防がとても大切です。また近年は、中学生のような若者にも増えてきています。若年性歯周炎になると、急激な骨の破壊が起こり、歯は動揺し、歯ぐきは赤く腫れたりと、大変なことになります。若いうちからの正しい歯みがきが重要です。
Q1040歳を過ぎる頃から、だんだん歯が抜けてきたんだけど…。
それは危険です。今、歯に関するスローガンで「8020運動」というのがあります。「8020」は高齢社会における健康対策として、日本が世界に先駆けて独自に提案した施策です。おやしらずを除く28本の歯のうち、80歳を過ぎたあなたのお口の中にはどれだけ残っていますか?
Q11親知らずって抜かなきゃいけないんですか?
親知らずは前から数えて8番目に生える歯で、歯ブラシが届きにくくむし歯になりやすい歯です。また、横や斜めに生えることが多く、そのため食べかすや細菌などが溜まりやすく周りの歯ぐきが腫れたりします。そのため、親知らずの前にあるいい歯までむし歯にしてしまったり、たびたび腫れたりする悪い親知らずは抜いた方がいいかもしれません。また、抜く必要のない親知らずもありますから、悩む前にかかりつけの歯科医院で診てもらいましょう。
Q12どうせなら、一生モノの入れ歯を作りたいんだけど…。
まず、一生モノの入れ歯なんてあり得ないと思ってください。歯を失ったあごの骨はやせていきます。このため、入れ歯と歯ぐきの間に隙間が生じてしまいます。この隙間をなくす処置が必要ですから、一度作った入れ歯がずっとこの先ピッタリ合うことはないわけです。だから歯医者さんで、定期検診をお忘れなく。
Q13歯医者さんに行こうと思ってる矢先に妊娠しちゃった。どうしよう?
たとえば歯周病のまま妊娠して子どもを産む…実はこれって、リスクの高いことなんです。歯周病が重ければ重いほど、悪影響が出るともいわれています。できれば、歯の治療を受け、お母さんが健全な状態で妊娠したほうが、健全な赤ちゃんが産まれる確率も高くなります。
Q14妊娠中のむし歯の治療は、大丈夫?
身体の状態が比較的安定している妊娠中期(4〜7ヶ月)が歯科の治療を受けるのに最も適した時期と言えるでしょう。
妊娠初期は、胎児のさまざまな器官の基本的な部分を形成していく時期であり、レントゲンや薬の使用に多少気を使います。また、悪阻(つわり)も生じてくるので、あまり治療には向いていない時期となります。
妊娠後期では、始めは比較的安全ですが中盤以降は胎児も大きくなり、長時間の治療に向かず、ちょっとした刺激が早産につながってしまう事態も考えられます。
基本的には、治療を行って悪い時期はないとされていますが、妊娠初期と後期の中盤以降は避けた方がいいでしょう。また、妊娠中であることあるいはその可能性があることを、必ず歯科医に告げておきましょう。
できれば妊娠する前に歯の治療を済ませておいたほうがいいと思います。
Q15食前、食間、食後の飲み方の違いは?
たいていの薬は、食前、食間、食後のいずれかに服用するように指示されています。それは、食事のタイミングといっしょにすることで飲み忘れを防ぐと同時に、薬の効果を高める状態にするためです。薬によっては、胃が空っぽの時のほうが効くものもあれば、そうでないものもあります。また、食後に服用するものが多いようですが、これは薬によって胃が荒れるという副作用を防ぐ意味もあるのです。ちなみに、食前とは食事をとる約30分前、食間とは食後2時間くらい経ってから、食後とは食事をした後30分以内が目安です。では、指示どうりに薬が飲めなかった場合にはどうすればいいのでしょうか。薬によって対処法は違いますが、一般的には、気づいたときに飲むのが一番です。ただ、次に飲む時間が迫っている場合には、それまで待ってから1回分だけ飲むようにしましょう。食後服用の薬を空腹時に飲む場合は、何か少しでも食べてから飲むようにすると、胃の負担が減少します。
Q16あなたの治療には保険がきかないって言われたんだけど…。
“保険診療”は、国が決めた一定のルールに基づいた万人に共通の一種の規格診療で、なおかつ治療の術式や使用できる材料などに対して細かい決まり事があります。このルールは全国どこの保険医療機関でも同じです。
保険適用外の術式(例えばインプラントやレーザー治療、マグネットの義歯など)や材料(例えばセラミックや金など)を望まれる場合や、保険では取り外し式の義歯(入れ歯)しかできないけれど、固定式のブリッジ(義歯)歯)にしたいなど、このルールの適用範囲外の症例が“保険のきかない治療”になります。
Q17最近「口が臭い」とよく言われるんだけど…。
“保険診療”は、国が決めた一定のルールに基づいた万人に共通の一種の規格診療で、なおかつ治療の術式や使用できる材料などに対して細かい決まり事があります。このルールは全国どこの保険医療機関でも同じです。
保険適用外の術式(例えばインプラントやレーザー治療、マグネットの義歯など)や材料(例えばセラミックや金など)を望まれる場合や、保険では取り外し式の義歯(入れ歯)しかできないけれど、固定式のブリッジ(義歯)歯)にしたいなど、このルールの適用範囲外の症例が“保険のきかない治療”になります。
Q18タバコを吸うことと歯って関係あるの?
もちろん関係あります。タバコは肺には悪いけど、歯の病気とは関係ないんじゃない?なんて思っていたら大間違いです。タバコを吸う人は歯周病のリスクがグンと高まるし、治療後の回復だって悪くなります。もちろんヤニで見た目も悪くなります。自分の健康のため、そしてまわりへの配慮も考えて、節煙・禁煙を心がけてみてはいかかげしょうか
Q19「表情が乏しいね」って彼氏に言われるんだけど…。
表情が乏しいって、つまり「笑顔をあまり見せない」ってことじゃないでしょうか?これ、実は歯と大きな関係があるんです。歯並びのいい人は笑顔も素敵だし、それが社交的な性格にもつながります。一方、歯並びが悪いと、ついつい笑顔をセーブしがちになります。そうならないためにも、歯の矯正は必要ではないでしょうか。
Q20最近、歯がくすんできた気がするんだけど…。
歯石、タバコのヤニ、茶しぶやワインなどステイン…いろいろなものが原因で、歯の表面は黒ずみ、あるいは黄ばんできます。長い間使っていれば、これもある程度は仕方のないことです。しかし専門家によるクリーニングやブリーチングである程度は改善できます。歯科医に相談してみてください。
Q21私は生まれつき歯が白くないの。これってあきらめるしかない?
エナメル質形成不全などにより、小さな頃から歯が変色しているケースがあります。これは漂白だけでは改善できない…という場合、「ラミネートベニア」という審美歯科の治療法がお勧めです!エナメル質の一部を削り、より天然色に近い色調のセラミックを貼り付ける方法です。まずは歯科医に相談してみましょう。
Q22食べたい、でもやせたい…これってワガママ?
しっかりかんで食べることは「歯の健康」と深い関わりがあります。そして、同じようにダイエットにもつながりがるんです。かめばかむほど、人間のおなかって満足します。つまり、かむ回数が多ければ、食べる量が少なくても満足できるというわけです。そのためには健康な歯が大切です。「歯の健康」がダイエットに結びつくなんて、なんだかおもしろいですね。
Q23かみ合わせが悪いな〜と思いつつ、放っているんだけど…。
かみ合わせの「いい・悪い」は、人生を大きく左右します。いいかみ合わせは、口の中の自浄作用を促進してむし歯を防ぐだけではなく、美しくしっかりした顔つきを作ったり、豊かな表情を作ったり、いつまでも若々しく保ったりすることと無縁ではありません。
Q24歯の健康どころじゃない、もっと心配な体の病気はいっぱいある!
そういう人は多いかもしれないですね。体のことは気づかうのに、歯の健康は二の次だと。でも知ってもらいたいのは、「歯はすべての病気に通ず」ということなんです。心臓病、糖尿病など、歯の健康と全身疾患の関わりは深いんです。歯の健康管理は全身の健康管理につながる…そのことをよく覚えておいてください。
Q25お金をかけずに、歯を治せないかしら?
お金をかけないなら、保険の適用内で済ますしかありません。しかしそれには使える材料の限界など規制があるのも事実です。特に入れ歯などの治療では、自費治療のほうが断然美しくフィット感のいいものが出来上がります。お金をかけたくない気持ちはわかりますが、楽しく生きるための「自己投資」という考え方もあります。
Q26豊かな老後を送るには、どうすればいいの?
人間は老いていきます。それを「つらいこと」にせず「楽しいこと」にするためには、歯の健康が大切です。まずは何といっても、おいしい食事をしっかりかんで食べられる幸せ…これに勝るものはありません。それに旅行や趣味だって、お口の中が健全であってこそ楽しくなります。豊かな老後には健康な歯が欠かせないですね。
Q27唾液の役目って大事なの?
食べ物がお口の中に入ると自然に出てくる唾液は、実は身体の健康にとって重要な働きをしています。
消化作用 消化酵素(アミラーゼ、マルターゼ)は、食物中のデンプンをブドウ糖に変えます。
希釈、洗浄、
緩衝作用
食物中の塩分を薄め、酸やアルカリを中和し、お口の中を清潔に保ちます。
むし歯予防 弱アルカリ性のため、飲食物によりお口の中が歯が溶けやすい酸性になるのを防ぎます。
殺菌、抗菌、
抗カビ作用
リゾチームやペルオキシダーゼなどには、殺菌、抗菌、抗カビ作用があります。またネバネバした唾液(ムチン)は、お口の粘膜を刺激やウイルスの侵入から守ってくれています。
ガン、老化防止 唾液中に分泌されるホルモン(パロチン)は、老化防止効果をもつ物質として早くから知られています。ペルオキシダーゼは、発ガンや老化、動脈硬化の原因となる活性酸素を消す作用を持っています。
この他にも、唾液中にはまだまだたくさんの作用を持つ物質が含まれています。唾液は噛めばかむほど分泌されますから、よくかんで食べることがとても重要です。
Q28歯みがきを嫌がるんですが、どうしたらいいですか?
先ずは歯ブラシを持たせることから始めましょう。
赤ちゃんは何でもお口の中に入れたがりますから、自分で歯ブラシをお口の中に入れるようになったらお母さんが手を添えてほんの少し動かしてみましょう。むりやりにゴシゴシするとますます嫌がってしまいます。赤ちゃんの歯をみがくのは難しく、しっかりみがけるようになるのは大きくなってからです。初めは歯ブラシに慣らす習慣をつけましょう。
Q29フッ素を塗ると、むし歯になりにくいのですか?
適量を正しく使用すれば、むし歯になりにくい丈夫な歯を作ってくれます。
フッ素は自然界にも広く分布している安全な元素の一つです。フッ素が歯のケアに使われ始めたのは、20世紀初頭にフッ素が含まれている飲料水が供給されている地域の人々にむし歯が非常に少ないことがアメリカで発見されてからです。
フッ素は歯質をもとから強くし、酸に負けない歯を作ってくれます。つまり、フッ素が作るフルオロアパタイトが歯の表面のカルシウムやリンなどのミネラル分が溶ける(脱灰)のを防いでエナメル質を強くします。また、エナメル質にミネラルがつく(再石灰化)のを手助けしてくれます。さらに、フッ素はお口の中のむし歯菌やその他の菌が分泌する酵素の働きを抑えてくれます。
フッ素は歯が生えたての頃ほど吸収しやすいので、前歯が生え揃った頃にかかりつけの歯科医院で一度塗ってもらい、その後も定期的(3〜4ヵ月ごと)に塗ってもらいましょう。歯みがき剤に含まれているフッ素は濃度が低いので、小さいうちはなめてしまうお子さんもいるでしょうが、適量(小豆大)は使い続けても問題はありません。ただし、フッ素を塗ったからといって安心せずに、だらだら食いや甘いものに注意して、きちんとお母さんが仕上げみがきをしてチェックしてあげてください。
Q30母親にむし歯が多いと、子供もむし歯が多くなるって本当?
むし歯の原因となるミュータンス菌は、母親から子供に伝えられることが多いようです。そのため、むし歯が多い母親からはたくさんのむし歯菌が、食べ物の口移しなどにより子供に伝えられることが考えられます。また、母親が甘味嗜好の強い食習慣の場合、子供も甘党になり、歯の表面に付着するプラークの形成も促進され、結果としてむし歯が多発しやすくなります。そして、母親がしっかりとした歯みがき習慣を身につけていないと、子供もなかなか歯みがきをせず、むし歯が増えることになります。