Q1食前、食間、食後の飲み方の違いは?
たいていの薬は、食前、食間、食後のいずれかに服用するように指示されています。それは、食事のタイミングといっしょにすることで飲み忘れを防ぐと同時に、薬の効果を高める状態にするためです。薬によっては、胃が空っぽの時のほうが効くものもあれば、そうでないものもあります。また、食後に服用するものが多いようですが、これは薬によって胃が荒れるという副作用を防ぐ意味もあるのです。ちなみに、食前とは食事をとる約30分前、食間とは食後2時間くらい経ってから、食後とは食事をした後30分以内が目安です。では、指示どうりに薬が飲めなかった場合にはどうすればいいのでしょうか。薬によって対処法は違いますが、一般的には、気づいたときに飲むのが一番です。ただ、次に飲む時間が迫っている場合には、それまで待ってから1回分だけ飲むようにしましょう。食後服用の薬を空腹時に飲む場合は、何か少しでも食べてから飲むようにすると、胃の負担が減少します。
Q2痛み止めが効かないので、多量に飲んでいいですか?
指示された用法・用量を守らず、自分で量を増やすのはやめましょう。
痛み止めに限らず、同じ薬をずっと飲み続けていると、指定の量では効かなくなることがあります。さらには、いわゆるその薬の“依存症”になってしまい、覚せい剤中毒に似た精神症状や、ふるえ、動悸、発汗などの身体症状が発現することもあります。かかりつけ歯科医の処方なしでの常用は避けたいものです。
効かない場合は、相談して別の薬に代えてもらいましょう。
Q3以前にもらった薬があったので、それを飲んでもいいですか?
痛み止めや腫れ止めなどは、いざという時のために常備しておくと役立ちます。とはいえ、薬にも有効期限があるということを忘れないでください。
市販薬には有効期限や使用期限がパッケージに書かれていますが、病院でもらった薬には書いてありません。明記してあるものは別にして、“おおむね6ヶ月が有効期限の目安”と覚えておいてください。ただし、自分で有効期限内だと判断して以前の薬を飲んだ場合、もし身体に変調をきたしても誰も責任はとってくれません。また、同じような症状でも以前の病気とは違う可能性もありますので、大事に至る前にかかりつけの歯科医院で診てもらいましょう。
Q4もらった薬を、同じような症状の家族や友達に分けてあげてもいいですか?
似たような症状でも全く違う病気の場合があります。薬をあげたり、もらったりするのは絶対にやめましょう。
もらった本人がその薬を服用して何らかの異常があった場合には、薬をあげた人に刑事責任が問われます。善意で分けてあげた相手が副作用を起こしてしまったり、最悪、死亡してしまったりした場合には取り返しのつかないことになってしまいます。
Q5薬の有効期限はどのくらいですか?
市販薬には有効期限や使用期限が書かれているので、それを過ぎたものは思い切って捨てるべきです。
ただし、記載されている有効期限は開封されていない場合のみに通用するもので、すでに開封されているものについては、錠剤・散剤・カプセル剤の場合、6ヶ月が有効期限の目安です。液剤はそれよりも期限が短く、開封した液剤の有効期限は10日前後と考えてください。
開封した薬の年月日をメモしておくことをお奨めします。