Q1歯をみがくと出血する。コワくてもうみがけないよ〜!
歯周病になると歯肉に炎症が起きて、出血しやすい状態になります。このとき出る血は、いわゆる「悪い血」です。炎症を起こすのは歯につく歯垢(プラーク)ですから、これを取り除いて炎症がおさまれば、自然に血は出なくなります。ですから怖くてブラッシングをやめるのは間違いです。最初は軟らかい歯ブラシを使って、だんだん硬めのものに変えていきましょう。
Q2歯周病って何歳ぐらいから気をつければいいの?
一般に中高年の病気だと思われていますが、歯周病は徐々に悪くなっていく慢性疾患ですから、20代からの予防がとても大切です。また近年は、中学生のような若者にも増えてきています。若年性歯周炎になると、急激な骨の破壊が起こり、歯は動揺し、歯ぐきは赤く腫れたりと、大変なことになります。若いうちからの正しい歯みがきが重要です。
Q340歳を過ぎる頃から、だんだん歯が抜けてきたんだけど…。
それは危険です。今、歯に関するスローガンで「8020運動」というのがあります。「8020」は高齢社会における健康対策として、日本が世界に先駆けて独自に提案した施策です。おやしらずを除く28本の歯のうち、80歳を過ぎたあなたのお口の中にはどれだけ残っていますか?
Q4歯肉炎と歯周炎ってどう違うの?
歯肉炎はプラークが原因で歯ぐきが炎症を起こしている状態で、適切なプラークコントロールにより改善します。歯周炎は歯肉炎がさらに進行して、歯を支える骨(歯槽骨)にまで炎症が波及している状態で、一般的には、「歯槽膿漏」といわれています。ブラッシングだけでは改善しないので、手遅れになる前に治療を受けましょう。
Q5歯ぐきがやせるってどういうことですか?
歯ぐきは、細菌の攻撃から歯を支える骨(歯槽骨)を守るためのバリアーで、手足で言うところの皮膚(皮)と同じような役割をしています。
皮膚と同様に厚みは薄いのですが、それ自身がやせることはあまりありません。ですから、“歯ぐきがやせた”というのは誤りで、正確には、歯を支えている骨がやせたためにその結果として、“歯ぐきの位置が下がった”ということです。また、別の意味でやせるという表現を使うことがありますが、それは不適切なブラッシングによって歯ぐきが削れた場合です。専門用語では、退縮したと表現します。
Q6歯石を自分で簡単に取る方法はありませんか?
一度歯について硬くなってしまった歯石は、いくら上手にブラッシングしても取り除くことはできません。かかりつけの歯科医院で早めに取ってもらいましょう。
予防としては歯みがきをきちんと行なうことが一番ですが、歯石の元になる歯垢(プラーク)のつきやすい人とつきにくい人がいるようです。つきやすい人はなおさら定期的に健診を受け、歯石のチェックを心掛けましょう。さらに重要なポイントは、歯石を取った後は歯をツルツルに磨いてもらいましょう。ツルツルな歯は、歯垢や歯石がつきにくくなります。
Q7疲れると歯ぐきが腫れたり、歯が浮いたようになるのですが…。
歯が浮いたと感じるのは、歯を支えている組織(歯根膜)の炎症で、単に疲れが溜まっただけの場合と、むし歯や歯周病などのお口の病気が原因の場合があります。
@単なる疲れによる場合
疲れが溜まると、無意識に歯をくいしばったり、睡眠中に歯ぎしりをしたりしていることがあります。必要以上の圧力が歯に長時間かかると、歯根膜を圧迫し、歯ぐき内部の血液循環が悪化し歯が浮いたように感じるのです。この場合は、ゆっくり休養をとるようにしてください。
Aむし歯が原因の場合
むし歯を放っておくと、風邪や疲労で身体の抵抗力が低下したときに、むし歯菌が活発化します。そして、神経(歯髄)が急性炎症を起こし、さらに歯根膜にまで及んでしまうと歯が浮く感じがします。これは、むし歯がかなり進行した状態ですから、早めにかかりつけの歯科医院で治療を受けましょう。
B歯周病が原因の場合
初期の歯周病は自覚症状があまりなく、その進行になかなか気づきません。身体の抵抗力が低下すると、歯周病菌が活発になって歯ぐきの腫れを引き起こし、歯が浮く感じがします。身体の抵抗力が回復し浮いた感じがおさまっても、歯周病の進行は止まりません。日頃から、殺菌剤入りのハミガキや液体ハミガキ、デンタルフロス、歯間ブラシなどを使って丁寧な歯みがきを心掛けましょう。
また、かかりつけの歯科医院で定期的なチェックをすることをお奨めします。初期段階ならまだ充分健康な歯ぐきに戻ります。
Q8歯の間に物がはさまりやすくなってきたんですけど?
それは歯周病のサインかもしれません。
歯周病になると歯を支えている骨(歯槽骨)が溶け、歯ぐきが下がって歯と歯の間に隙間ができます。そのため、物がはさまりやすくなるのです。
軽度の歯周病なら、丁寧なブラッシングに加え、歯と歯の間を清掃する歯間ブラシで治ることもあります。最初は少し出血するかもしれませんが、出血がおさまってくれば効果が現れてきた証拠です。歯周病の予防にも歯間ブラシやデンタルフロスは有効です。