Q1最近「口が臭い」とよく言われるんだけど…。
“保険診療”は、国が決めた一定のルールに基づいた万人に共通の一種の規格診療で、なおかつ治療の術式や使用できる材料などに対して細かい決まり事があります。このルールは全国どこの保険医療機関でも同じです。
保険適用外の術式(例えばインプラントやレーザー治療、マグネットの義歯など)や材料(例えばセラミックや金など)を望まれる場合や、保険では取り外し式の義歯(入れ歯)しかできないけれど、固定式のブリッジ(義歯)歯)にしたいなど、このルールの適用範囲外の症例が“保険のきかない治療”になります。
Q2タバコを吸うことと歯って関係あるの?
もちろん関係あります。タバコは肺には悪いけど、歯の病気とは関係ないんじゃない?なんて思っていたら大間違いです。タバコを吸う人は歯周病のリスクがグンと高まるし、治療後の回復だって悪くなります。もちろんヤニで見た目も悪くなります。自分の健康のため、そしてまわりへの配慮も考えて、節煙・禁煙を心がけてみてはいかかげしょうか
Q3「表情が乏しいね」って彼氏に言われるんだけど…。
表情が乏しいって、つまり「笑顔をあまり見せない」ってことじゃないでしょうか?これ、実は歯と大きな関係があるんです。歯並びのいい人は笑顔も素敵だし、それが社交的な性格にもつながります。一方、歯並びが悪いと、ついつい笑顔をセーブしがちになります。そうならないためにも、歯の矯正は必要ではないでしょうか。
Q4最近、歯がくすんできた気がするんだけど…。
歯石、タバコのヤニ、茶しぶやワインなどステイン…いろいろなものが原因で、歯の表面は黒ずみ、あるいは黄ばんできます。長い間使っていれば、これもある程度は仕方のないことです。しかし専門家によるクリーニングやブリーチングである程度は改善できます。歯科医に相談してみてください。
Q5私は生まれつき歯が白くないの。これってあきらめるしかない?
エナメル質形成不全などにより、小さな頃から歯が変色しているケースがあります。これは漂白だけでは改善できない…という場合、「ラミネートベニア」という審美歯科の治療法がお勧めです!エナメル質の一部を削り、より天然色に近い色調のセラミックを貼り付ける方法です。まずは歯科医に相談してみましょう。
Q6食べたい、でもやせたい…これってワガママ?
しっかりかんで食べることは「歯の健康」と深い関わりがあります。そして、同じようにダイエットにもつながりがるんです。かめばかむほど、人間のおなかって満足します。つまり、かむ回数が多ければ、食べる量が少なくても満足できるというわけです。そのためには健康な歯が大切です。「歯の健康」がダイエットに結びつくなんて、なんだかおもしろいですね。
Q7かみ合わせが悪いな〜と思いつつ、放っているんだけど…。
かみ合わせの「いい・悪い」は、人生を大きく左右します。いいかみ合わせは、口の中の自浄作用を促進してむし歯を防ぐだけではなく、美しくしっかりした顔つきを作ったり、豊かな表情を作ったり、いつまでも若々しく保ったりすることと無縁ではありません。
Q8歯の健康どころじゃない、もっと心配な体の病気はいっぱいある!
そういう人は多いかもしれないですね。体のことは気づかうのに、歯の健康は二の次だと。でも知ってもらいたいのは、「歯はすべての病気に通ず」ということなんです。心臓病、糖尿病など、歯の健康と全身疾患の関わりは深いんです。歯の健康管理は全身の健康管理につながる…そのことをよく覚えておいてください。
Q9お金をかけずに、歯を治せないかしら?
お金をかけないなら、保険の適用内で済ますしかありません。しかしそれには使える材料の限界など規制があるのも事実です。特に入れ歯などの治療では、自費治療のほうが断然美しくフィット感のいいものが出来上がります。お金をかけたくない気持ちはわかりますが、楽しく生きるための「自己投資」という考え方もあります。
Q10豊かな老後を送るには、どうすればいいの?
人間は老いていきます。それを「つらいこと」にせず「楽しいこと」にするためには、歯の健康が大切です。まずは何といっても、おいしい食事をしっかりかんで食べられる幸せ…これに勝るものはありません。それに旅行や趣味だって、お口の中が健全であってこそ楽しくなります。豊かな老後には健康な歯が欠かせないですね。
Q11唾液の役目って大事なの?
食べ物がお口の中に入ると自然に出てくる唾液は、実は身体の健康にとって重要な働きをしています。
消化作用 消化酵素(アミラーゼ、マルターゼ)は、食物中のデンプンをブドウ糖に変えます。
希釈、洗浄、
緩衝作用
食物中の塩分を薄め、酸やアルカリを中和し、お口の中を清潔に保ちます。
むし歯予防 弱アルカリ性のため、飲食物によりお口の中が歯が溶けやすい酸性になるのを防ぎます。
殺菌、抗菌、
抗カビ作用
リゾチームやペルオキシダーゼなどには、殺菌、抗菌、抗カビ作用があります。またネバネバした唾液(ムチン)は、お口の粘膜を刺激やウイルスの侵入から守ってくれています。
ガン、老化防止 唾液中に分泌されるホルモン(パロチン)は、老化防止効果をもつ物質として早くから知られています。ペルオキシダーゼは、発ガンや老化、動脈硬化の原因となる活性酸素を消す作用を持っています。
この他にも、唾液中にはまだまだたくさんの作用を持つ物質が含まれています。唾液は噛めばかむほど分泌されますから、よくかんで食べることがとても重要です。
Q12歯ぐきが黒っぽいんですが…。
歯ぐきの色が悪くなる原因は、メラニン色素の沈着、歯肉炎や歯周病、合わなくなったつめもの・かぶせものによる血行不良などが考えられます。
メラニン色素の沈着の場合は、薬液治療やレーザー治療できれいに回復することもあります。
歯肉炎や歯周病、合わなくなったつめもの・かぶせものによる血行不良の場合は、歯肉炎や歯周病の治療後、あるいは、合わなくなったつめもの・かぶせものを再治療後、ただしい歯みがきを心掛けることで歯ぐきは健康なピンク色に戻ってきます。
ただし、歯ぐきの色は個人差がありますから、あまり神経質にならないで下さい。
Q13歯医者さんに往診って頼めるの?
「広島市歯科医療福祉対策協議会」では、広島市行政からの委託を受けて、“広島市に居住地を有する、原則として40歳以上の通院が困難な在宅寝たきり者”を対象にして往診を行なっています。
患者さんの口腔の健康と咀嚼機能を改善させることにより、全身の健康の保持増進を図ることを目的とし「在宅寝たきり高齢者訪問歯科診療事業」を実施しています。この事業は。本人または家族からの依頼により、歯科医師などによる訪問歯科健康診査を行なうとともに、必要であれば訪問歯科診療(往診)を実施します。
詳しくは、もよりの保健センターまたは広島市歯科医療福祉対策協議会(082-244-2662)までお問い合わせください。
Q14主人の歯ぎしりがひどいんですが?
対策としては、歯のかみ合わせの調整、ナイトガードの装着、ストレスをコントロールするための自己暗示法などがあります。
歯ぎしりの原因はまだ完全には解明されていませんが、今のところストレスやかみ合わせの異常によるものと考えられています。
その影響としては、歯の磨耗、アゴの関節への過度な負担からくる顎関節症、歯周病の悪化、頭痛などがあげられています。就寝中に起こるわけですから、本人はまったく気がついていません。一度かかりつけの歯科医院に相談することをお奨めします。
Q15舌の表面が黒っぽくなってきたんですが…。
舌の表面にあるザラザラした部分が異常に伸びて、毛が生えたように見えることがあります。
毛の色は黒かったり、茶褐色やその他の色になることがあります。また、一般的に舌の表面には苔のようなものがあり、それが着色することがあります。例えば食品、嗜好品由来で着色するもの、薬による口腔内環境の変化によるもの、病的な場合などです。
原因は多種多様で、違和感や味覚異常が現れることもありますので、かかりつけの歯科医院でご相談してください。
Q16PMTCってなんですか?
健康づくりへの関心は、治療から予防へと確実にシフトしています。
従来の歯科は、“すでに進んでしまったお口の病気に対してどう対処するか”ということに熱心に取り組んできました。ところがその後、“削って治したつもりなのに再発してしまう”という悪いパターンが生じたため、そうした医療のあり方が反省期に入り、“予防”の方向に大きく転換しています。その取り組みがかかりつけの歯科医院でのPMTCです。
PMTCとは、プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニングの頭文字で、歯科医院で専門的に行うお口のケアプログラムのことです。
歯や歯ぐきのトラブルを予防するためには、毎日のブラッシングをはじめとするセルフケアに加えて、お口のプロによる継続的なケアが欠かせません。そのプロフェッショナルケアの主流となるのが、かかりつけの歯科医師や歯科衛生士による専門的な口腔清掃「PMTC」です。
くわしくは、かかりつけの歯科医院にご相談してください。
Q17フッ素って大丈夫?
フッ素は自然界に広く分布している元素の一つです。フッ素によるむし歯予防の有効性は多くの研究から疑いのないもので、また正しく使用すればその安全性も現在では十分に確認されています。ただ、統計処理その他で解釈の違う発表も散見されることは事実です。フッ素利用に対してあまりにも慎重になりすぎて、日本のむし歯対策が欧米に大きく後れをとってしまったことは残念です。
フッ素が歯のケアに使われ始めたのは、フッ素が含まれている飲料水が供給されている地域の人々に、むし歯が非常に少ないことが20世紀初頭にアメリカで発見されてからです。研究の結果、確かにフッ素を適量使えばむし歯を防ぐことがわかりました。
その理由の一つは、フッ素は歯質をもとから強くし、酸に負けない歯をつくるからです。つまり、フッ素はフルオロアパタイトをつくり、歯の表面のカルシウムやリンなどのミネラル分が溶ける(脱灰)のを防いでエナメル質を強くします。また、エナメル質にミネラルがつく(再石灰化)のを手助けします。もう一つは、フッ素が口の中のむし歯菌や、菌が分泌する酵素の働きを抑えようとします。
フッ素は歯が生えたての頃ほど吸収しやすいので、前歯が生え揃った頃にかかりつけの歯科医院で一度塗ってもらい、その後も3〜4ヵ月ごとに定期的に塗ることをお奨めします。
歯みがき剤に含まれているフッ素は、濃度が低いのでそのまま使い続けてもかまいません。
ただし、フッ素を塗ったからといって油断は禁物です。だらだら食いや甘いものに注意して、きちんと仕上げ磨きをしてあげて下さい。
Q18知覚過敏って言われたんですけど、なんですか?
むし歯で大きな穴が開いているわけでもないのに、冷たい空気や水がしみてたまらない…。そんな経験のある方も少なくないようです。
自分では大丈夫と思っていても外から見えない部分にむし歯があることもありますから、診察を受けていただくことは必要ですが、本当にむし歯でもないのに歯がしみる場合があり、これが知覚過敏と呼ばれる状態です。
しみるということは、歯の神経(歯髄)に冷たさや熱さの刺激が伝わるということで歯周病などで歯ぐきが下がり、歯の根の部分(歯根)が露出した歯で起こりやすいようです。
知覚過敏はおもに2つの原因から起こります。歯に付着した歯垢、つまり無数の細菌が出す毒素が歯の表面を痛めつけ、刺激が歯の内部にまで届きやすくしてしまうと、普通なら問題のない冷たさでもしみてしまいます。歯垢が多くついていると歯ぐきがほとんど下がっていない歯でも知覚過敏になります。もう1つは歯ブラシによる間違った磨き方が原因で、歯のエナメル質が削り取られて象牙質を露出させたときにも起こります。
Q19キシリトールとはどういうものですか?
キシリトールは、白樺の樹液に多く含まれている天然の糖です。北欧で研究され、平成9年4月に日本でも認可されました。むし歯の原因であるミュータンス菌を減少させ、歯を溶かす酸の産生を抑える働きがあり、「むし歯になりにくい」とも明示されます。
副作用としては下痢があげられ、製品にも明示してあります。甘さは砂糖と同じくらいで、カロリーは砂糖の約3/4です。味は、ガムなどには合いますが、和菓子には合わないようで、砂糖に比べると高価なこともあり完全に砂糖の代わりになるものではないようです。
Q20歯のある人とない人で、口腔ケアに違いはありますか?
基本的な考え方は同じです。
高齢者の死亡原因で上位を占めるのは、老人性肺炎や気管支炎などの呼吸器感染症です。これらの病気の多くは身体の機能や抵抗力が衰えたために、雑菌で呼吸器官に炎症が起きるのが原因といわれています。そこで食後の歯みがきで口の中の粘膜や、入れ歯を清潔にし雑菌を取り除き、胃から食物などが逆流しないように上体を起こせば、呼吸器の病気の予防になるのです。
歯だけではなく、口腔粘膜や入れ歯の清掃にも十分留意しましょう。
Q21ブリッジにした歯のお手入れは、どうしたらいいの?
歯が抜けたあとに、その両端の自分の歯で人工歯を固定するのがブリッジです。
部分入れ歯と違って取り外しができないため、食べカスがたまりやすく不衛生になりやすい場所なので歯みがきには十分注意しましょう。
まず、両端の固定部は歯ブラシで普通どおり磨きます。次に、固定部の歯と人工歯の間の小さな隙間は歯間ブラシで丁寧に磨きます。また、歯の抜けた部分(人工歯の底面と歯ぐきの間の隙間)も忘れずに磨きましょう。隙間を磨くときは歯ぐきを傷つけないように注意しましょう。
Q22スポーツをすると歯を悪くする?
激しいスポーツでは、瞬発力を発揮する際に本人の体重と同じくらいの圧力が奥歯にかかると言われています。このような大きな圧力を受け続けると、歯や歯ぐきがダメージを受け、悪影響が出てきます。
そこで現在は、クッション性のある樹脂製シートを歯型に合わせて成型した「マウスガード」がよく使われます。しかし、マウスガードがあれば大丈夫というわけではありません。スポーツで十分力を出すためには、普段から健康な歯と歯ぐきを保ち、かみ合わせを良くするといった心掛けが大切です。