Q1あなたの治療には保険がきかないって言われたんだけど…。
“保険診療”は、国が決めた一定のルールに基づいた万人に共通の一種の規格診療で、なおかつ治療の術式や使用できる材料などに対して細かい決まり事があります。このルールは全国どこの保険医療機関でも同じです。
保険適用外の術式(例えばインプラントやレーザー治療、マグネットの義歯など)や材料(例えばセラミックや金など)を望まれる場合や、保険では取り外し式の義歯(入れ歯)しかできないけれど、固定式のブリッジ(義歯)歯)にしたいなど、このルールの適用範囲外の症例が“保険のきかない治療”になります。
Q2自費診療(保険外診療)って何?
基本的には保険で、ほとんどの歯科治療はまかなえるようになっているのですが、現行の保険診療では限られた治療法と材料しか選択できません。
材料の耐久性や審美性、高度な技術を要する治療法など、“医療の質”を考えたとき、患者さんの満足のいく治療が必ずしも保険の範囲内では出来ないこともあります。また、日進月歩の医学・医術の進歩の中で、新しく開発された治療法や治療薬が保険に適用されるまで、ある程度年月がかかることもあります。
そこで“自費診療(保険外診療)”という選択肢があります。これは、保険が適用されない治療に対して、患者さんの希望と同意のもとに歯科医との間で結ばれる自由契約による医療で、その治療費は、もちろん各医療機関によって異なりますし、かなり高額になることもあります。
確かに医療保険制度は社会に必要な合理的な制度ですが、現在の歯科医療の実態に即していない部分も出てきています。「悪い所を治す」あるいは「悪くなったら治す」という考え方が中心である現行の医療保険制度では、いかに天然歯に近く、また身体の一部として生体親和性に優れた快適なものをつくるか、悪くならないように予防的な処置をしたいといったものは保険ではできません。
治療を受ける側も事前に自分の希望を伝え、治療法や材料の選択肢、その費用もよく聞いて、理解納得した上で判断し治療を受けることが、内容的にも費用的にも満足できる治療を受けるために大切なことなのです。
Q3自費の歯のほうが長持ちするの?
保険の治療と自費の治療の基本的な違いは、使用する材質や技術などの違いであり、直接的には歯の寿命には関係ありません。
歯そのものの寿命は、歯を管理する側が定期健診なども含め、きちんと毎日自己管理することで差が生まれます。ただし、保険で使用できる材料は短期間で変色や磨耗を起こしたり、汚れがつきやすい、金属アレルギーなどを含めた生体親和性に問題があるなど、材質的には自費の材料の方が圧倒的に優位にあるようです。