Q31歯並びを治すメリットは何ですか?
歯並びが悪くても、「見た目が悪いだけでそんなに悪影響はない。」と思っていませんか?
確かに直接的な影響を感じられる方は少ないと思いますが、間接的には全身的に様々な悪影響を及ぼしているのです。
口元の見た目にコンプレックスをいだくことが慢性的なストレスになったり、見た目を気にするあまり表情が乏しくなり人間関係の上で誤解を招いてしまったり、歯並びの悪さが心の健康に与える影響も少なくありません。
また、かみ合わせが悪いことが原因でアゴの運動に異常が生じる場合があります。するとアゴの運動に関係する筋肉や神経のバランスがくずれ、顎関節症(がくかんせつしょう)や偏頭痛、肩こりなど全身的な不調和に及ぶ可能性があります。
お口の中では、歯並びを治すことで歯みがきがしやすくなり、むし歯や歯周病の予防がしやすくなり、さらに発音や会話にも影響してきます。
歯並びの整った美しい笑顔は、心身ともに健康であることの象徴といえるのではないでしょうか。
Q32小さなむし歯は自然に治るって聞いたんだけど…?
“小さな”の程度によります。
本来むし歯は、むし歯菌の定着による感染ですから、感染を起こしている限りは、自然には治りません。しかし、“目で見えないような小さな”感染は、その都度、唾液による修復作用により修復されているのです。
唾液には、口腔内環境を常に良好に保つための殺菌作用や修復作用があります。その意味では、自然治癒能力があるのですが、口腔内環境の悪化をもたらす食生活や生活習慣により、実際にはそれを上回る破壊が起ってしまい、「むし歯」と認識される程度まで破壊が進行してしまうと自然に治ることはありません。
かかりつけの歯科医院で定期健診を受け、予防にも心がけましょう。
Q33歯の神経を取るってどういうことですか?
歯の神経を取るっていうことは、その歯を殺してしまうことです!
歯の表面は硬いエナメル質で覆われており、その内側には象牙質があります。その象牙質の中に空洞(歯髄腔)が有り、歯の根っこの先から神経や血管、リンパ管などが入っていて、その歯を生かしています。しかし、むし歯が深くなると、細菌がこの神経の入っている空洞に入り、炎症を起こします。困った事にいったん炎症を起こすと痛みが出てきますので、症状を改善するためには残念ながら神経や血管、リンパ管なども含めた全てを歯の中から取り去ってしまわなければなりません。
つまり、“神経を取る”ということは、血管・リンパ管などの歯の生命を維持するもの全てを失うことになるのです。当然、死んでしまった歯は生きている歯に比べると、その寿命が短くなることが予想されます。こうなる前に、早めの治療を心掛けましょう。
Q34痛くないのにむし歯の治療をしなくてはいけないのですか?
ある程度進行したむし歯は、自然に治ることはありません。
なんらかの原因でむし歯の進行が遅くなることはあっても、放置していれば確実にひどくなっていきます。初期のむし歯は痛みがありませんが、進行して神経に近づくと痛みが出てきます。痛みが出る前の初期の段階で治療しておけば、削る量も少なく、治療期間も短くてすみます。
また、「以前痛かったけど放っておいたら痛くなくなった」という場合は、最も危険です!。このような場合の多くは、すでに神経が腐ってしまい、細菌がアゴの骨の中に入り込み炎症を起こします。こうなっては大変です。最悪の場合、歯を抜かなければならなかったり、アゴの骨の治療が必要になることもあります。
痛くないのは決してむし歯の進み具合と同じではないのです。どんな病気でも、早期発見、早期治療があなたの健康を守ります。
Q35むし歯と肩こりって関係あるの?
お口の中にむし歯ができると、無意識のうちにむし歯のある方を避けてかむようになります。
そうなると、かむ時にアゴを動かしている周囲の筋肉や肩までの筋肉を含めてバランスがくずれ、使う片方だけの筋肉に無理が重なり、肩までこることがあります。
まずはかかりつけの歯科医院でむし歯の治療をしましょう。
Q36歯石を自分で簡単に取る方法はありませんか?
一度歯について硬くなってしまった歯石は、いくら上手にブラッシングしても取り除くことはできません。かかりつけの歯科医院で早めに取ってもらいましょう。
予防としては歯みがきをきちんと行なうことが一番ですが、歯石の元になる歯垢(プラーク)のつきやすい人とつきにくい人がいるようです。つきやすい人はなおさら定期的に健診を受け、歯石のチェックを心掛けましょう。さらに重要なポイントは、歯石を取った後は歯をツルツルに磨いてもらいましょう。ツルツルな歯は、歯垢や歯石がつきにくくなります。
Q37疲れると歯ぐきが腫れたり、歯が浮いたようになるのですが…。
歯が浮いたと感じるのは、歯を支えている組織(歯根膜)の炎症で、単に疲れが溜まっただけの場合と、むし歯や歯周病などのお口の病気が原因の場合があります。
@単なる疲れによる場合
疲れが溜まると、無意識に歯をくいしばったり、睡眠中に歯ぎしりをしたりしていることがあります。必要以上の圧力が歯に長時間かかると、歯根膜を圧迫し、歯ぐき内部の血液循環が悪化し歯が浮いたように感じるのです。この場合は、ゆっくり休養をとるようにしてください。
Aむし歯が原因の場合
むし歯を放っておくと、風邪や疲労で身体の抵抗力が低下したときに、むし歯菌が活発化します。そして、神経(歯髄)が急性炎症を起こし、さらに歯根膜にまで及んでしまうと歯が浮く感じがします。これは、むし歯がかなり進行した状態ですから、早めにかかりつけの歯科医院で治療を受けましょう。
B歯周病が原因の場合
初期の歯周病は自覚症状があまりなく、その進行になかなか気づきません。身体の抵抗力が低下すると、歯周病菌が活発になって歯ぐきの腫れを引き起こし、歯が浮く感じがします。身体の抵抗力が回復し浮いた感じがおさまっても、歯周病の進行は止まりません。日頃から、殺菌剤入りのハミガキや液体ハミガキ、デンタルフロス、歯間ブラシなどを使って丁寧な歯みがきを心掛けましょう。
また、かかりつけの歯科医院で定期的なチェックをすることをお奨めします。初期段階ならまだ充分健康な歯ぐきに戻ります。
Q38歯が抜けたままにしておいても大丈夫ですか?
正常な位置に生えていた歯が抜けたり、抜いたりしたあとでも、別に日常生活に支障がないからとそのまま放置しておくと、残された歯に加わる負担が大きくなって、それらの歯の寿命が短くなります。
そしてそれだけでなく、抜けた部分の隣の歯が倒れてきたり、かみ合わせの相手を失った歯が伸びてきたりして、歯並びがくずれ、かみ合わせが狂ってしまいます。
かみ合わせが狂うと、左右のアゴの関節がバランスを失い、“顎関節症”という病気を起こすこともあります。この病気になると、お口を開け閉めするたびにカクカクと音がしたり、口が開かなくなったり、頭痛や耳鳴りを起こしたりします。ですから、歯を失ったところは必ず治療を行って左右のどちらでもバランスよく噛めるようにすることが大切です。
一度失った歯はもう生えてきません。残念ながら歯がなくなった場合は、早めにかかりつけの歯科医院を受診して最良の治療方法について相談しましょう。
Q39義歯(入れ歯)をするときに注意することはなんですか?
@初めての入れ歯は、多くの方が違和感を感じます。お口に合うまで何度も調整する必要があります。慣れる前に自分の判断で使用を止めないで下さい。
A入れ歯が馴染むまでは、話づらいと思います。舌や頬をかむこともあります。また、食べ物の味が分かりづらかったり、温感も感じにくくなります。
B入れ歯では、今までどおり自分の歯のようにはかめません。かめるものを選んで、今までよりも少し小さめで軟らかめに調理してください。
C入れ歯が歯ぐきに当たって痛いときは、我慢して使用しないで直ちにはずして、傷になる前にかかりつけの歯科医院で調整してもらいましょう。
D食後には必ずはずして自分の歯をみがき、入れ歯もみがいてください。特に歯をみがくときは、留め金のかかっている歯がむし歯になりやすいのでしっかりみがきましょう。
E就寝前に入れ歯をはずしてみがいた後、水か専用の洗浄剤につけておきましょう。乾燥させると変形することもあります。
F決して自分で入れ歯を削ったり、留め金をいじらないようにしてください。一旦変形したものは元には戻せません。
G留め金は使っているうちに徐々にゆるんでくることがあります。定期的に調整してもらいましょう。
いずれにしても調子の悪いときは、早めにかかりつけの歯科医院で診てもらいましょう。
Q40電動歯ブラシのほうがよく磨けるの?
電動歯ブラシは、「短時間で楽に歯みがきができる」というキャッチフレーズで、さまざまなタイプのものが市販されています。ブラシが高速で回転や振動するもの、音波や超音波の効果をうたったものなど、しっかり歯を磨けるように感じてしまいます。
しかし、どんなタイプの電動歯ブラシでも適切な使い方をしなければ、みがき残しがいっぱいの状態になってしまいます。また、細かいところまで毛先を到達させることが難しかったり、スピードが速いために歯をすり減らしたり、歯ぐきを傷つけたりしてしまうこともあります。
電動歯ブラシは簡単で楽な清掃用具と思われがちですが、正確にしっかりと毛先を歯面に当てて使うという基本は普通の歯ブラシと変わりなく、慣れないとかえって力の加減が難しいようです。
つまり、普通の歯ブラシでしっかり磨けている方が、さらにその上を目指すために電動歯ブラシを使うのは問題ありませんが、そうでない方にはあまり必要でないものかもしれません。
Q41妊娠中のレントゲン撮影は、胎児に影響ありませんか?
レントゲンが胎児に及ぼす影響として、催奇形性、発育遅延、発ガン、遺伝的影響などが考えられます。
しかし、歯科で使用するレントゲンはこれらの障害を引き起こす量よりもはるかに少ないため、問題はないとされています。むしろ、“レントゲンを使用したことで何か問題があるのでは…”という不安を招く精神的な影響のほうが大きいといえます。
レントゲンで胎児に障害が出る量は、妊婦の腹部に直接照射し、胎児が1回に10ラド以上の被爆を受けたときであるとされています。歯科で使用する場合、1回の撮影で卵巣まで放射線が到達する量は最大でも0.00000202ラドです。
通常では、放射線を防ぐために鉛入りの防護エプロンをかけて撮影しますから、ほとんど影響はありません。
また、外見からは判断しにくい歯や骨の中の病気という歯科の特殊性から、確実な診断や術後の経過を診るためにレントゲン撮影は必ず必要です。いかに問題が無いとはいえ、影響が全くゼロということはありませんから、極力回数を減らすようにかかりつけ歯科医も心掛けて治療にあたっていますから、安心して治療に専念してください。
Q42以前にもらった薬があったので、それを飲んでもいいですか?
痛み止めや腫れ止めなどは、いざという時のために常備しておくと役立ちます。とはいえ、薬にも有効期限があるということを忘れないでください。
市販薬には有効期限や使用期限がパッケージに書かれていますが、病院でもらった薬には書いてありません。明記してあるものは別にして、“おおむね6ヶ月が有効期限の目安”と覚えておいてください。ただし、自分で有効期限内だと判断して以前の薬を飲んだ場合、もし身体に変調をきたしても誰も責任はとってくれません。また、同じような症状でも以前の病気とは違う可能性もありますので、大事に至る前にかかりつけの歯科医院で診てもらいましょう。
Q43もらった薬を、同じような症状の家族や友達に分けてあげてもいいですか?
似たような症状でも全く違う病気の場合があります。薬をあげたり、もらったりするのは絶対にやめましょう。
もらった本人がその薬を服用して何らかの異常があった場合には、薬をあげた人に刑事責任が問われます。善意で分けてあげた相手が副作用を起こしてしまったり、最悪、死亡してしまったりした場合には取り返しのつかないことになってしまいます。
Q44自費診療(保険外診療)って何?
基本的には保険で、ほとんどの歯科治療はまかなえるようになっているのですが、現行の保険診療では限られた治療法と材料しか選択できません。
材料の耐久性や審美性、高度な技術を要する治療法など、“医療の質”を考えたとき、患者さんの満足のいく治療が必ずしも保険の範囲内では出来ないこともあります。また、日進月歩の医学・医術の進歩の中で、新しく開発された治療法や治療薬が保険に適用されるまで、ある程度年月がかかることもあります。
そこで“自費診療(保険外診療)”という選択肢があります。これは、保険が適用されない治療に対して、患者さんの希望と同意のもとに歯科医との間で結ばれる自由契約による医療で、その治療費は、もちろん各医療機関によって異なりますし、かなり高額になることもあります。
確かに医療保険制度は社会に必要な合理的な制度ですが、現在の歯科医療の実態に即していない部分も出てきています。「悪い所を治す」あるいは「悪くなったら治す」という考え方が中心である現行の医療保険制度では、いかに天然歯に近く、また身体の一部として生体親和性に優れた快適なものをつくるか、悪くならないように予防的な処置をしたいといったものは保険ではできません。
治療を受ける側も事前に自分の希望を伝え、治療法や材料の選択肢、その費用もよく聞いて、理解納得した上で判断し治療を受けることが、内容的にも費用的にも満足できる治療を受けるために大切なことなのです。
Q45自費の歯のほうが長持ちするの?
保険の治療と自費の治療の基本的な違いは、使用する材質や技術などの違いであり、直接的には歯の寿命には関係ありません。
歯そのものの寿命は、歯を管理する側が定期健診なども含め、きちんと毎日自己管理することで差が生まれます。ただし、保険で使用できる材料は短期間で変色や磨耗を起こしたり、汚れがつきやすい、金属アレルギーなどを含めた生体親和性に問題があるなど、材質的には自費の材料の方が圧倒的に優位にあるようです。
Q46歯医者さんに往診って頼めるの?
「広島市歯科医療福祉対策協議会」では、広島市行政からの委託を受けて、“広島市に居住地を有する、原則として40歳以上の通院が困難な在宅寝たきり者”を対象にして往診を行なっています。
患者さんの口腔の健康と咀嚼機能を改善させることにより、全身の健康の保持増進を図ることを目的とし「在宅寝たきり高齢者訪問歯科診療事業」を実施しています。この事業は。本人または家族からの依頼により、歯科医師などによる訪問歯科健康診査を行なうとともに、必要であれば訪問歯科診療(往診)を実施します。
詳しくは、もよりの保健センターまたは広島市歯科医療福祉対策協議会(082-244-2662)までお問い合わせください。
Q47主人の歯ぎしりがひどいんですが?
対策としては、歯のかみ合わせの調整、ナイトガードの装着、ストレスをコントロールするための自己暗示法などがあります。
歯ぎしりの原因はまだ完全には解明されていませんが、今のところストレスやかみ合わせの異常によるものと考えられています。
その影響としては、歯の磨耗、アゴの関節への過度な負担からくる顎関節症、歯周病の悪化、頭痛などがあげられています。就寝中に起こるわけですから、本人はまったく気がついていません。一度かかりつけの歯科医院に相談することをお奨めします。
Q48歯の間に物がはさまりやすくなってきたんですけど?
それは歯周病のサインかもしれません。
歯周病になると歯を支えている骨(歯槽骨)が溶け、歯ぐきが下がって歯と歯の間に隙間ができます。そのため、物がはさまりやすくなるのです。
軽度の歯周病なら、丁寧なブラッシングに加え、歯と歯の間を清掃する歯間ブラシで治ることもあります。最初は少し出血するかもしれませんが、出血がおさまってくれば効果が現れてきた証拠です。歯周病の予防にも歯間ブラシやデンタルフロスは有効です。
Q49一度治した歯は、もうむし歯にならないの?
一度治療が済んで、つめたりかぶせたりした歯はもうむし歯にならないと思っていたら、そのうち臭いがしたりポロっとはずれたり…。そんな経験ありませんか?
治療した歯とつめもの・かぶせものの境い目に汚れ(歯垢・プラーク)がたまると、そこから再びむし歯になってしまいます。日頃から、つめもの・かぶせものと歯の境い目や歯の周りを歯ブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロスなどできちんと磨くことをお奨めします。
Q50神経を取ったら歯が弱くなる?
歯の神経(歯髄)がある生きている歯を“生木”だとすれば、歯髄のない死んだ歯は“材木”に例えることができます。同じ太さの生木と材木があるとすれば、ご存知のように生木には、“しなり”があるのでなかなか折れにくいのですが、材木には生木ほどの“しなり”はありません。また、生木には根から絶えず水分や栄養分が供給されますが、材木ではそうもいきません。生きている歯よりも死んだ歯のほうが、その寿命も短くなります。
ですから、できる限り歯髄を生きたまま残して治療するほうが良いといえますが、むし歯が深くてやがて死んでいくのが予想される場合や、すでに痛くて我慢できないほど症状が進んでしまっている場合には、残念ながら歯髄を除去してしまうことも仕方がないと思われます。
しかし例えその歯が材木になったとしても、後世にまで残っている立派な木造建築物もあるのですから、がっかりすることはありません。それよりもこれを教訓として、神経を取ってしまった歯はもちろん、他の歯がこのようにならないように“歯を絶対に大切にするぞ!”という気持ちを持ち続けていくことが大事です。
Q51むし歯になりやすいのですが、あきらめるしかないの?
そんなことはありません。
むし歯ができるのは、@弱い歯質、Aむし歯菌、B甘いものという条件が揃うからです。ですからこれらの条件を可能な限りなくしていけばいいのです。
まず、歯質を強化するためにはフッ素の応用が効果的です。乳幼児期の定期的なフッ素塗布や大人になってもフッ素入り歯みがき剤の使用をお奨めします。
むし歯菌については、自分自身による毎日のセルフケアが大事です。菌が溜まりやすい歯と歯ぐきの境い目や治療したつめもの・かぶせものの周りなどはより丁寧にブラッシングしましょう。フロスや歯間ブラシ、殺菌剤入りの歯みがき、デンタルリンスなどの使用も効果的です。
甘いものは無理にやめる必要はありませんが、回数を減らして、ダラダラ食べるのはやめましょう。歯につきやすいものはなるべく避ける、水やお茶を飲んでお口の中に食べかすが残らないようにするなどを心掛けましょう。そしてなにより大切なことは、食べたり飲んだりした後ですぐにブラッシングすることです。
これらのうち1つでも実行できれば、かなりの効果がきっとあるはずです。
Q52入れ歯安定剤は、使用してもいいですか?
入れ歯がガクガクする、はずれやすい、痛いところがでてきた…など、これらはあなたのお口に入れ歯が合わなくなってきた証拠です。
入れ歯安定剤は一時しのぎの、あくまでも応急処置です。合わない入れ歯を長期間安定剤で使用すれば、歯ぐきにダメージを与えるだけでなく、アゴの骨までも吸収させてしまいます。
適合が悪い場合は、新しく作り直さなければなりませんが、作り直さなくても適合を改善する方法はいくらでもあります。
安定剤で辛抱しないで、かかりつけの歯科医院で相談してみてください。
Q53義歯(入れ歯)は絶対イヤです。他に何か治療法はないの?
義歯(入れ歯)が当たって痛い、痛くてかめない、グラグラ動いてはずれる、違和感があり入れてられないなど、入れ歯に関するトラブルに悩み、なかなか慣れない人も多いようです。
このとき無理に我慢したり、ましてや自分で入れ歯を削ったりせずにかかりつけの歯科医院で調整をしてもらいましょう。
どうしても入れ歯に馴染めない場合には、人工歯根(インプラント)などの方法もありますからかかりつけの歯科医に相談してみてください。
Q54義歯(入れ歯)の手入れの方法を教えて。
義歯(入れ歯)にも歯垢(プラーク)は付着しますし、そのまま放置しておくと歯石になってしまいます。これらは入れ歯の変色や着色を招くばかりでなく、残っているご自身の健康な歯や歯ぐきに悪影響を及ぼします。口臭の原因になることはもとより、入れ歯や入れ歯を支える金属の留め金(クラスプ)と接する歯がむし歯になったり、入れ歯の下の歯ぐきに炎症が起きる原因にもなります。
入れ歯と残っているご自身の歯のお手入れは、お口の中の健康を保つためにとても大切なことですから、食事の後は必ず入れ歯と残っている歯、歯ぐきのお手入れをしましょう。
@入れ歯をお口の中に入れたまま歯みがきをしても汚れは充分には落ちません。食後は必ず取り外して磨きましょう。
A取り外したら、流水の下で入れ歯専用歯ブラシを使い全体の汚れを洗い流すとともに、細かい部分にも注意して汚れを落としましょう。このとき部分入れ歯の留め金の部分は無理な力を加えると、変形してしまいお口の中に入らなくなることがありますから、慎重に磨きましょう。
B入れ歯特有の臭いや着色が気になる場合は、定期的に洗浄剤を使用しましょう。
Cお口の中も入れ歯をはずした状態で歯みがきを行ないます。部分入れ歯の場合は、特に抜けた歯の前後の歯の側面や留め金がかかっている歯を丁寧に磨きましょう。
Q55義歯(入れ歯)洗浄剤はどんなものがいいですか?
義歯(入れ歯)を不衛生にしていると、口臭や歯周病、残っている歯のむし歯、義歯性の口内炎の原因になります。また、口腔内細菌による肺炎に感染する恐れもあります。
いろいろな洗浄剤が市販されていますが、一番いいものというよりも、お口の中で使用する義歯(入れ歯)を洗うものですから安全性の高いものを選ぶべきでしょう。
特に部分入れ歯の場合は、留め金とプラスチックの隙間などに洗浄剤が残っていたりすると、お口がただれてしまうこともあります。危険性のない洗浄剤を使用し、入れ歯専用歯ブラシで機械的に磨くことが大切です。
また部分入れ歯には、留め金の金属に影響の少ない部分入れ歯専用の洗浄剤を使うことをお奨めします。
Q56グラグラしてる歯って、抜かなくちゃいけないの?
歯を失うことは、その人にとってはとてもつらいことだと思います。むし歯でない歯がグラグラになってきているのは、歯周病が進んでいる証拠です。そのために歯を支えている骨(歯槽骨)が溶けてなくなり、歯を支えきれなくなったのです。
グラグラの程度が小さな場合は、他のしっかりした歯につないでくっつける(固定)ことで延命を図ることもできますが、歯が歯肉の中でプカプカ浮いているような状態では、残念ながら抜歯の対象になります。
歯周病は痛みなしに進行していくことが多いので、かかりつけの歯科医院で定期的な健診を受け、グラグラにならないように心掛けましょう。
Q56歯を抜いた後に、血が止まらないんですけど…。
歯を抜いた後に出血が止まらない時は、頻回のうがいはかえって出血を促しますので避けてください。
歯を抜いた部分でロール状の清潔なガーゼを30分ほどしっかり、強めに噛んでおいてください。全身的な問題が無ければこれで大抵は止血しますが、それでも止まらない時は主治医を受診して、適切な止血処置をしてもらいましょう。
抜歯後の出血には局所的原因によるものと、全身的な原因によるものとがあります。
局所的原因によるものでは、不良肉芽の除去、粘膜弁の縫合、ガーゼタンポンによる圧迫止血、局所止血剤の填塞、電気凝固などの局所の処置を行ないます。
血液疾患・肝疾患などの方や、抗凝固剤や抗血小板剤を投与されている方など全身的な原因によるものでは、局所の止血とともに抗凝固剤などの使用の中止や全身的な止血剤の投与が必要になることもあります。
Q57薬の有効期限はどのくらいですか?
市販薬には有効期限や使用期限が書かれているので、それを過ぎたものは思い切って捨てるべきです。
ただし、記載されている有効期限は開封されていない場合のみに通用するもので、すでに開封されているものについては、錠剤・散剤・カプセル剤の場合、6ヶ月が有効期限の目安です。液剤はそれよりも期限が短く、開封した液剤の有効期限は10日前後と考えてください。
開封した薬の年月日をメモしておくことをお奨めします。
Q58自費の歯のほうが長持ちするの?
保険の治療と自費の治療の基本的な違いは、使用する材質や技術などの違いであり、直接的には歯の寿命には関係ありません。
歯そのものの寿命は、歯を管理する側が定期健診なども含め、きちんと毎日自己管理することで差が生まれます。ただし、保険で使用できる材料は短期間で変色や磨耗を起こしたり、汚れがつきやすい、金属アレルギーなどを含めた生体親和性に問題があるなど、材質的には自費の材料の方が圧倒的に優位にあるようです。
Q59自費の歯のほうが長持ちするの?
保険の治療と自費の治療の基本的な違いは、使用する材質や技術などの違いであり、直接的には歯の寿命には関係ありません。
歯そのものの寿命は、歯を管理する側が定期健診なども含め、きちんと毎日自己管理することで差が生まれます。ただし、保険で使用できる材料は短期間で変色や磨耗を起こしたり、汚れがつきやすい、金属アレルギーなどを含めた生体親和性に問題があるなど、材質的には自費の材料の方が圧倒的に優位にあるようです。
Q60妊娠中のレントゲン撮影は、胎児に影響ありませんか?
レントゲンが胎児に及ぼす影響として、催奇形性、発育遅延、発ガン、遺伝的影響などが考えられます。
しかし、歯科で使用するレントゲンはこれらの障害を引き起こす量よりもはるかに少ないため、問題はないとされています。むしろ、“レントゲンを使用したことで何か問題があるのでは…”という不安を招く精神的な影響のほうが大きいといえます。
レントゲンで胎児に障害が出る量は、妊婦の腹部に直接照射し、胎児が1回に10ラド以上の被爆を受けたときであるとされています。歯科で使用する場合、1回の撮影で卵巣まで放射線が到達する量は最大でも0.00000202ラドです。
通常では、放射線を防ぐために鉛入りの防護エプロンをかけて撮影しますから、ほとんど影響はありません。
また、外見からは判断しにくい歯や骨の中の病気という歯科の特殊性から、確実な診断や術後の経過を診るためにレントゲン撮影は必ず必要です。いかに問題が無いとはいえ、影響が全くゼロということはありませんから、極力回数を減らすようにかかりつけ歯科医も心掛けて治療にあたっていますから、安心して治療に専念してください。